2018年6月19日火曜日

苫小牧西港フェリーターミナル 17:41

  
 
  
 
仙台を経由して名古屋まで41時間の船旅であるから、ぬかりなく酒と つまみは準備しておく。
 
船内にレストランも売店もあるから、事前に買い込んでバッグを重くしなくてもよいのだが。船は太平洋フェリーの「いしかり」。
 
あいにくの梅雨空ゆえ、夕焼けもなにもない。
それでも船の揺れに任せて飲み始めると、いつもよりピッチが早くなる。なにしろ出航時刻が夕方というのがよくない。ラウンジに集まった乗客は、船が動きだす前からそこかしこで小宴会を開いている。
 
 
軽く酔っ払った頃、「カメラマンなの?」と50過ぎと思しき男に声をかけられた。Macのモニタには画像処理途中のLightroomが出ている。
 
「僕も映像やってるんだけどね」と彼は自分から語り出す。最近出たばかりの360°カメラを差し出し、スマホでその映像を見せてくれる。
 
ひとしきり彼の仕事の話を拝聴すると映像以外にもいろいろやっているらしい。儲かってるんですねと言うと、ためらうことなく「うん」と答える。

彼は家族写真が出ているMacのモニタを指差して「これ一件で10万くらいもらってるの」と聞く。1万円ですと答えると(実際は1万7千円)、理解しがたいといった表情で僕を見、ようやく自分と相容れない人間だと気付いたようであった。そうですよ。あなたと僕は、おそらく見ている景色が違うのでしょう。
 
彼が、仕事がんばって、と言って去っていったあとは船内のテレビでサッカーの中継を見て過ごす。終盤攻め込まれてハラハラしたが、下馬評を覆して日本代表はW杯予選で一勝目をあげた。