東京国際空港 7:50

  
 
 
 
 
バス搭乗だと地上係員の目を気にしつつ、そっと列から離れて飛行機を撮りたくなる症候群。
  
 
目覚まし時計のアラームを「4:46」にセットして寝て起きたら、5時17分だった。アラームを止めたのをまったく覚えていない。起きれたのは神さまのおかげというほかない。ありがとうございますありがとうございます。
朦朧としながら身支度してホテルを出る。日曜日の朝から僕は何をしてるんだろう。
  
 
釧路行きの隣に座ったのは旅行に出かけると思しき老夫婦。
眼下の風景を撮っていると「ちょっと撮らせてもらってもいい?」とおじいさんが気軽に尋ねてきて、上半身を乗り出すようにして小さなデジカメを窓の外に向ける。僕の目の前に彼の白髪頭がある。
 
「ニコン使ってるの。僕もF2(フィルムカメラ)を使ってんだよ。けどさ、年取ると重たくってこればっか(パナソニックのミラーレス)」「仕事なの?取材?僕の友達にも日芸出たカメラマンがいるんだけど、バブルの頃は羽振りがよかったねえ。弾けたらどっかいなくなっちゃった」
 
昭和を生きてきた人にとっては、バブルはついこの前の出来事なのである。礼儀的に年齢をお伺いしてみると73歳ということであった。
 
「リタイアしたし、この歳だから(旅行しても)いいでしょ。あなたはお仕事がんばって」そう言うと彼は妻を伴って出口へと向かった。団塊の世代は恵まれている。