京阪電気鉄道京阪本線三条駅 19:39


 
 
 
大阪では西成のいつものホテルに泊まる。
フロントには支配人なのかごま塩頭のやたらと声の大きなおじさんがにいて、真面目な顔でボケる。がんばって突っ込むのだが、生粋の大阪人である彼は笑ってくれない。
いつも泊まっているからか、名前を覚えられてしまった。

晩ごはんを買って帰ると、玄関の前でタバコを彼がふかしている。
おかえりーと言いながらドアを開けてくれながら、ふいに「増山さん(本名です)、いくつになられる」と聞かれた。年齢を答えると、ああ、と納得した顔をして「昔に比べたら、ちょっと老けたね」と言ってくれた。
 
そうか老けたか、と心の中でつぶやく。年相応に見られることが少ないので、嬉しいものである。
このホテルに泊まり始めたのは10年ほど前からで、当時は日本に一機しかない飛行船を追いかけて写真を撮っていた。