愛知県豊川市千両(ちぎり)町市道 12:24






 
 
 
昨年は暑いくらいの陽気だったが今年は冷え冷えとしていて、佐奈川の土手沿の桜の木は一本しか咲いていない。
 
3年前に幼稚園の制服を着ていた女の子はランドセルを背負って、カメラを向けると条件反射のように唇をきっと結んで表情を作る。遊んでも無邪気に笑ってくれない。
 
おそらく、歯の生え変わりで前歯が空いているの彼女なりに気にしているのだろう。6歳といえど女の子。大人は前歯がなくても微笑ましいと思うだろうけど、本人にしてみれば重大な問題である。 
 
そういう感覚を子どもはどこで身につけるんだろう。
  
子どもが成長するのは嬉しいことだけど、天からの授かりもののようなその気質がなくなるのは少し寂しい。
 
しかし、僕も含めてみんなそうやって大人になってきたわけで、無条件に子どもに無邪気さを求めるのは身勝手な無いものねだりなんだろう。
 
  

桜が咲いていないおかげで、緑の河川敷には家族のほかは誰もいなかった。
 
1時間遊んだあとママのご実家へ移動して、おばあちゃんと写真を撮る。
 
帰省したママにとってはのんびりできる春休みかと思いきや、昼間は彼女の妹の子どもたちの面倒まで見ているそうで、ぜんぜん「春休み」ではないらしい。 
  
子どもはママの苦労なぞ我関せずと遊んだり喧嘩したり。 
 
20年か30年後に、結婚して子どもを産んだ自分にそんな苦労が降りかかってくるなどとは想像もできないだろうけど、みんなそうやって大人になっていくわけです。