東北本線王子駅 11:38 

 
 
     
「天気が雨だったらどうするんですか」とママは神社に向かう車を運転しながら僕に尋ねる。「昨日雨だったから心配で」
 
その心配は杞憂だった。今日は真っ青な青空だ。 
 
ベビーシートで眠る赤ちゃんの顔に春の陽射しが降り注いでいる。
 
  
 
撮影は家のリビングで赤ちゃんの写真を撮るところから始まる。
 
五歳上のお姉ちゃんは妹を慈しむようにかわいがる。
 
顔も似ているし、仲のいい姉妹になるのだろう。
 
 

ミルクを飲んだ赤ちゃんは撮影が始まってほどなくして寝てしまう。
 
眠くてぐずりがちではあったが、起きているときに写真が撮れたのは幸運だった。
 
生後一ヶ月だと寝ている時間のほうがずっと長い。
 
結局そのあと神社に行って祈祷が終わってもまだ寝ていた。
 
 

桜はまだ三分咲きだが、せっかく咲いているのだからと神社の近くの公園まで足を延ばす。

抱っこされてすやすや寝ている赤ちゃんを家族で囲む。
 
それはやっぱり幸福な光景である。
 
写真を撮りながら家族が増えるっていいことなんだと思う。
 
ふだんはなかなか寝てくれない赤ちゃんと、幼稚園に通うお姉ちゃんの面倒を見るのに疲れてしまうだろうけど。(二人の小さな子どもを育てるのって本当にたいへんだ)
 
どうか赤ちゃんだけでなく家族みんなが健やかであってほしい。
 
 
  
ちなみに雨でもお宮参りや七五三をすることはあって、当然ながら大人も子どもも傘をさして神社にお参りします。
 
年に何回かはそういう日がある。 
 
せっかくフォトグラファーを呼んだのにと残念に思われるかもしれないが、雨でもそれはかけがえのない家族の記念日であって写真はきちんと残るし、思い出になる。
 

 
 
東北本線上野駅 8:31 旅行バッグをコインロッカーに入れて本日の撮影に。  朝10時までなら空きがある可能性が高い。

乙女椿。 写真撮ってたら、いきなりポテっと花が落ちる。椿だからそうなるけど、びっくりする。




東京都北区滝野川 11:24 お宮参りの撮影無事終わり。天気にも恵まれ、赤ちゃんはほとんど寝ていたので穏やかなお参りだった。

東京の桜は三〜五分咲き。





東北本線上野駅 11:59 大阪まで。 12時前のロッカーは空きなし。僕がバッグを出したら、待ってましたとばかりに若いカップルが空いたロッカーに荷物を入れる。




東海道本線早川〜根府川 13:35 東京から名古屋までわずか7時間、大阪まではたったの10時間。

東海道本線熱海駅 14:05 荷物が多いので313系8000番台を避けて211系のほうに乗る。

東海道本線豊橋駅 18:00 気がついたら静岡県を通り過ぎていた。


東海道本線三河大塚〜三河三谷 18:13 明日は晴れるだろうか。

大阪環状線大阪駅 21:47 環状線のホームに上がる階段で、どピンクのコートを着た女性がいた。東京にだってピンクのコートを着た女性はいるけど、彼女の存在だけでなんとなく「大阪やなあ」と思ってしまう。