東武鉄道野田線東岩槻駅 13:32

 
 

 
桜雨に打たれて一枚また一枚と白い花びらが舞い落ちる。
 
石畳の参道は白い絨毯に変わりつつある。
 
雨のおかげか境内には家族のほかに人がいない。
 
4年前、彼女が三歳のときの七五三も雨降りだった
 
 
 
昨秋にできなかった七五三を桜の時期にするのもよいものである。
 
目を離せなかった三歳のときと違って、七歳の女の子はカメラの前にまっすぐに立つ。
 
絵馬に「ステキなじょゆうになりたい」と自分で書いただけある。女優は立ち姿が美しくなければならない。
 
夢があるというのはいいことだ。
 
その素敵な気持ちを大事にしてほしい。

 
満開の桜の下で彼女に振袖を羽のように広げてくるくる回ってもらう。
 
ママが言うにはお姉ちゃんが七歳ときも、僕は同じようにして撮ったらしい。10年前のことだ。
 
十年一日。僕は変わり映えのしない写真を撮っているのだな。それでいいんじゃないか。
 
お参りが済む頃には雨が上がった。
 
  
 

さいたま市岩槻区宮町 13:05 1件目の撮影終わり。七歳女の子の七五三。朝から雨降りだったが、祈祷が終わってしばらくすると止んだのは幸運だった。






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