阪急電鉄今津線甲東園駅 16:59
大学の卒業式に女学生が髪を整え振袖に袴姿で臨むようになったのは、いつ頃からなのだろう。
昔はこんなのなかったですよねえ、と娘の晴れ姿を見に来た母上と言い合う。
卒業証書を抱えて写真に収まる彼女は忙しい。
LINEや電話で友人と連絡を取り合って、お互いの写真を撮るのに一生懸命だ。
濃密な時間を一緒に過ごした友人たちでも、社会人になってしまうと時間を合わせてお茶するのだって難しくなる。
これきりふっつりと会えなくなる人も多い。
幼少期と違って決してその人を忘れることはないのに。
大人はそれがわかっているからしたり顔でいられるけど、当人は今を無駄にするまいと必死だ。
それがとても羨ましい。
僕もかつてはそうだったはずで、今からでも昔のようにしたっていいのだけど、それができないのは、周りの人たちも同じように歳を取ったからだろう。
人生にはその時しかできないことがたくさんあるのだ。
関西学院のキャンパスはまるでカルフォルニアのような開放感がある。
芝生の広場は写真を撮り合う学生でいっぱいだ。
友達とひたすら写真を撮って、今日これからどうする?と話して、じゃまたLINEするねと言って別れる。
側で見ていれば眩しいほどの若さ。きっと充実した4年間だったに違いない。
青春時代はそれが終わってから気づけばいい。
卒業おめでとう。
兵庫県西宮市上ケ原一番町 16:35 本日の撮影無事終わり。大学卒業の記念写真。大学側も心得ていて、フォトスポット的な立て看板を複数用意する。写真には写っていないが、撮影待ちの長蛇の列をさばく警備員もいる。駅と大学を結ぶバスも増便。卒業式という一大フェスは好天のうちに終わる。