武蔵野線新小平駅 16:07
ニューボーンフォトの撮影である。
赤ちゃんには撮影用の衣装を着させて、床に布を敷き小物を並べ終わっても、ママはなかなか赤ちゃんをそこに寝かせようとしない。
なぜだろうと思っていたら、そのうち寝かせた赤ちゃんがぐずりだす。
抱っこすれば泣き止む。どうやら眠たそうだ。
いつものように揺すって寝かかったところで、赤ちゃん用のマットに寝かせようとすると「そこでは寝ないんです」とママは言う。「ずっと抱っこしてないと寝ないんです」
添い寝ならいいものの、一人ではまず寝てくれないという。
実際に昼間はほぼずっと抱っこなのだそうだ。まじですか。
そういえば僕が家に入ったときも、ママが抱っこしてたな……。
こうすればなんとか寝てくれると、羽毛の掛け布団をおくるみのように赤ちゃんに巻く方法を三日前に発見したという。寝ている間はずっとそばにいるらしい。
実家も遠いのに毎日どうしているのかと尋ねたら、パパが育休を取っているという。そうでなければ乗り切れまい。
抱っこでしか寝ないのも今のうち。赤ちゃんは日々成長する。
少しずつ親の腕を離れて一人で寝るようになる。
ただ赤ちゃんのかわいらしさを写すだけではない。
きっと一年後に今日の写真を見返したら、ずいぶん昔のように懐かしく感じるはずである。
たいへんなぶんだけ愛おしい日々でありますように。
山陽本線尾道駅 23:29
ダメ人間第一号。