尾道 18:20
ごめんください、という感じでスタジオに一歳になったばかりの女の子を連れた家族が現れた。
東京から来たそうで、表の看板を見てモノは試しと写真を撮ることにしたらしい。
いきなり見知らぬ家に連れてこられた女の子は、ママにしがみついているが、あやしているうちに慣れてきたようで、一緒に遊んで笑い始めると、はじめは不安げだったパパとママのテンションが一気に上がるのがわかる。
あまり人見知りしない子でほんまによかった。
家で仕事しているから、ラジオで野球中継を聴く。
今日はデーゲーム。カープは千葉でマリーンズと対戦である。
相手ピッチャーは豪速球を投げる佐々木で、彼が本気で投げると160km/hを超えます。
一般的に150kmを超える投手は速球派とみなされるのであるが、彼はその一段上にいる。
ただでさえ交流戦が苦手なカープで、しかも相手投手が佐々木だからファンの間では試合の鼻っから諦めムードが漂う。
案の定、4回までカープは一本もヒットが出ない。
このまま完全試合になるかと思いきや、内野安打をきっかけに伏兵羽月がタイムリーヒットを打つと、まるで勝ったかのような大騒ぎである。
試合はもつれて最終回にカープが1点差まで詰め寄ったものの、最後は田中のレフトへの大飛球を好捕されて終了となった。
カープにとってはカード負け越しの敗戦だが、いい試合だったしがっかりする気持ちがあまりしないのは、対戦前の期待値が低かったせいであろう。
どうせ(佐々木に手も足も出ずに)負けるに違いないと思っていましたすみません。
満足感は往々にして事前の期待値に左右される。
あまり期待しないでいたら思いのほかよかった、というのは誰しも経験する。
スタジオで我が子の写真を撮ったママもその一人だろう。撮影終わって「この写真もかわいい!」と興奮しながら写真を選んでいた。
期待値は低いほうが幸せになれる。
海で飲むには申し分のない気温。