尾道 18:10

 
 
 
乗っていた電車が駅に停車した。
 
改札口のあたりに人だかりがしている。しばらく電車は動かなさそうだ。
 
なんだろうとりあえず写真を撮るか、と思ってカメラを持って出てホームに出る。
 
バリアングルモニタを引っ張り出して俯瞰しながら撮っていたら、背後で電車のドアが閉まった。
 
振り返ると、青い帯のついた213系電車はするすると発車していく。カメラバッグも財布も電車の中である。さあ、どうしよう。
 
 
 
というところで目が覚めた。
 
夢でよかったと思いたいところだが、似たようなことを阪急北千里駅でやったことがある。
 
荷棚に乗せた旅行バッグの存在を忘れてしまい、次の電車に乗ろうと降りて写真を撮っていて、電車が発車してしまってから思い出した。
 
このときは電車の終点が梅田だったので、電話してバッグを確保してもらった。 

ほんとになんでもすぐ忘れるのである。困ったものだ。
 
 

何年も前のことだが、一度だけ撮影を忘れてすっぽかしたことがある。お客さんから電話がかかってきて平謝りに謝った。
 
完全に自分が悪いのであるが、これを防ぐのも自分しかいないというのも非常に心許ない。
 
ヒューマンエラーというのは必ず起きる。
 
絶対に間違えませんと言うのは簡単だが、かえってそのほうが信用が置けない。
 
エラーは起きる。いつかは起きる。そう思っているほうが健全なような気がする。