山陽新幹線岡山駅 10:10
朝から公園の木々から蝉の鳴き声が降り注いでいる。
どんよりした曇り空だが、陽射しがないぶん暑さも厳しくないだろう。
撮影の前は毎回緊張する。
ステージに上がるミュージシャンみたいなもので、観客を楽しませられるかどうかユウウツだ。
楽しませるのは小さな子ども。八歳のお兄ちゃんと二歳の妹である。
お兄ちゃんは遊んでないとつまらなさそうだし、女の子は人見知りで固まっている。
パパとママはがんばって笑わせようとするが、笑わせようとしているうちは子どもは笑わない。
それが何かのタイミングというかきっかけで魔法が解けたように動き出す。
子どもに楽しいと思えるスイッチが入ったからで、僕は写真を撮るのではなくそれを探している。
なんとか兄妹二人が笑う写真が撮れてよかった。
八歳の彼は、妹をかわいがるお兄ちゃんである。
二人は歳が離れているから、一緒に遊ぶ時間はおそらく短いだろう。
その時間を惜しむかのようにパパとママも子どもと遊ぶ。夏の朝のいい時間を過ごしている。