尾道 18:16
雨上がりは、湿った草や土と昭和の古びた家の匂いが混じり合う。
狭い路地脇の草むらを見れば、カタツムリが何匹もうごめいている。
湿気も相まってこのまま朽ちていきそうな気持ちになる。
あまりテンションは上がらないが、嫌いではない。むしろ落ち着く。侘び・寂びを愛するとはこういうことかもしれない。
雨が降っているときに、「雨の中、雨包さんの家へ行く」という記事を読む。
場所がどこか書かれていないが、中国地方の山間部であるという。
「雨包」という苗字の人の家を訪ねていくというただそれだけの話であるが、なかなか興味深かった。
山間の集落からさらに離れた佇む雨包さんの一軒家はすでに廃屋になっているのだが、添えられた写真を見ると、その場の匂いは想像できる。
濡れた草木に土、古い木造家屋から漂うカビた匂い。
きっとそれは尾道のそれよりも強いだろうけど、不思議に深閑と落ち着くような気持ちになるだろう。
僕もそんな場所を目指す、さすらう旅をしてみたいものだ。
読みながらそんなことを思った。
昼ごはん。