佐賀市交通局東与賀線作出(つくりで) 13:39
南から勢いよく風が吹いて公園の水場は小さな子どもたちの歓声が上がる。
青空の彼方には白い入道雲。
木陰のベンチで横になれば、緑の歯が風に踊る。
夏の空気はひたすら暑くて気持ちがいい。
東京から旅行で来た家族の撮影はあっさり終わったので、さっさと機材をまとめて鳥栖のホテルに戻ればいいのに、1時間くらいぼんやりしてしまった。
こういうのでいいんだよこういうので。旅というのは。
一般的な旅行というのは、名所を訪ねたり、「映える」スポットで写真を撮ったり、名物を食べたり、そういうものだろう。
それもいいけれfど、ただ知らない町の知らない場所の日常に自分を溶け込ませるのがいい。観光客にはなりたくないのである。
スティングに「Englishman in New York」という名曲があるが、あの歌詞の感じに近い。
Oh, I'm an alien, I'm a legal alien.
自分を余所者と感じるときに旅を強く意識する。
公園から最寄りのバス停まで約4km歩く。
バスは土曜日でも1時間に一本あるから安心だ。
バス停の前には小さなスーパーがあって、涼みがてらに入ってみたらがらんとしてレジにはおばさん一人しかいない。
精肉コーナーに鶏のたたきが置いてあって立ち止まる。
ホテルの近くのスーパーにもあるかもしれないが、なかったらどうする。
鳥栖までバスと電車を乗り継いで2時間近くかかるが買うしかない。
鶏のたたきだけ買うのもなんなので、ついでに佐賀の地酒も買う。
大きなカメラバッグを肩に提げて鶏のたたきと酒を買い、保冷用の氷をビニール袋にせっせと詰め込んでいる男は余所者である。
レジのおばさんが（どっから来たとやろか）不審そうにずっと見ている。
長崎本線鳥栖駅 7:16
佐賀市東与賀町まで。
三連休だから空いてるかと思ったが、車内は意外に混んでる。
