山陽本線小野田駅 16:46
山陽本線の岩国から西へ向かう電車は1時間に一本走っている。
以前は30分に一本だったが、昨今の事情はそれを許さない。
ほとんどローカル線といってさしつかえないな山陽本線だが、先だっての大雨で小野田〜厚狭間の線路が被災してしまった。電車が走れぬから代わりにバスを走らせる。
下関行きの電車は途中の小野田で終わり。隣駅の厚狭(あさ)までは地元の観光バス会社のバスがチャーターされて、駅間をピストン輸送している。
乗客は面倒な乗り換えをしなければならぬが、文句を言う人はどこにもいない。黙々と歩いてバスに乗り換える。
ちょうど高校生の下校と重なったようで、一台のバスには乗り切れず、10分ほど待って後続に乗り込む。
JRもたいへんだ。複数のバス会社にコンタクトして車両と運転手を手配してダイヤを決めて案内係の社員を配置しなければならない。
近年の山陽線では各地で雨や事故で不通になっていて、そのたびに代行バスを走らせている。
2018年夏の大雨で不通。
2021年12月貨物列車の脱線事故で不通。
なんといっても明治時代に敷設された線路だし、高架にするなり近代化工事をするべきだと思うのだが、もう永遠にやらないだろうな。高速道路はたくさん作るのに。
小野田から厚狭まで電車なら5分程度だが、バスは約20分かけて走る。
満席の車内はまるでエレベーターの中にいるかのようだ。しわぶきひとつ聞こえない。奇妙な沈黙の時間。