函館本線砂川駅 20:05
孫が生まれたり都会から帰省したりして家に家族が集まってくる。
夏はそういう季節である。
午前中は二歳の男の子と、生まれて二ヶ月の赤ちゃんのいる家に行って撮る。
撮ったら近くの水遊び用の池に行き、そこで遊ぶ子どもをまた撮る。
平凡な家族写真である。
わざわざフォトグラファーを呼んで撮るような写真ではないかもしれない。iPhoneでもっとキレイに撮れるだろう。
僕が撮る意味はどこにあるのか、撮りながらそれを考えている。
それは写真を撮るということではないような気がする。
午後は九歳の男の子と女の子。二人はいとこ同士である。離れて住んでいるが幼い頃から仲が良い。
男の子は昼間もゲーム三昧である。もう鬼ごっことかかくれんぼとかで遊ぶ歳ではない。
しかしほっといたら無表情にゲームしている写真にしかならぬ。
かわいい子には旅をさせよというではないか。
二人を日常から切り離しいてみよう。
「青旅」にはまだ早いが、電車に乗って知らない場所を歩くのは新鮮な驚きを彼らに与えてくれる。
男の子のママに付かず離れず同伴してもらうことにして、砂川駅で切符を買って列車に乗り、二つ先の奈井江駅まで行く。
彼は絶えず後ろを振り向いてはママの姿を確認して安心する。
一人だけだと緊張感もあって非日常の刺激を受けると思うが、あまり不安になってもいけないだろうし、このくらいでいいか。
子どもにとっては自分で判断して決めて動く、ということができると楽しいものである。
小さな公園で遊んで、また電車に乗って帰る。夏の小さな冒険は無事に終わった。