尾道 13:19
久しぶりに迷子の子どもを見た。
夕方のイオンの野菜売場で「ママー!」と大声で泣いている。三歳か四歳くらいの女の子。
周りを見れば、周囲に幾人かの大人がいるのに誰も関心を示そうとしないから、いよいよ迷子だ。
それほど大きなスーパーでもない。店員が声を聞きつけてやってくるかと思えば、その気配もない。
サービスカウンターはフロアの反対側だ。店員を呼んでくるのは少し時間がかかるだろう。
僕が男だからどうしようかと迷ったが、見過ごすわけにもいかぬ。
仕方なく女の子をそこへ連れて行こうと、こっちにおいでと声をかけ、一緒に歩き出したところで、母親が焦るふうでもなくカートを押しながらやってきた。
彼女は僕をちらりと見るが何も言わない。不審者扱いされなくてよかった。
それにしても、その場にいた大人の誰も子どもに声をかけようとしなかったのが不思議でならない。
ズッキーニが2本で150円だったから、これを鶏肉と炒めよう。
味付けはシンプルに塩だけである。
我が家には「焼肉のたれ」というものがない。ミチコさんと結婚してからたぶん使ったことがない。
料理酒はあるが、みりんはない。砂糖は何年も使っていない黒砂糖が袋に入ったまま戸棚の奥にある。
理由はミチコさんがとにかく甘い味付けが苦手だということに尽きる。(ケーキとかは食べるのに)
炒め物に醤油を使うと渋い顔をする。味付けは塩だけでいいと言う。中華ガラとかコンソメの素といった調味料も嫌がる。
僕は九州生まれなので甘辛い味付けで育ったから、塩だけでは物足りないのであるが、二人で同じものを食べるとなると諦めざるを得ない。
とはいえ、長年暮らしていればそれも慣れるもので、オリーブオイルと塩だけで炒めたズッキーニを僕も食べている。
ちなみにうちで使っているのは「マグマ塩」という岩塩です。興味のある方は検索してください。これはなかなかおいしい。
看板のない八百屋さん。にんにく1kg100円という札が見えて思わず立ち止まる。にんじんは何本でも100円だという。にんにくとにんじん3本くださいと言ったら、にんじんはタダで袋に入れてくれた。わけがわからない。