横浜高速鉄道みなとみらい線みなとみらい駅 12:41
せっかく海が見えるところでの撮影を希望していたのに、ときどき雨が降るあいにくの空。
ベイブリッジも灰色の空と海に溶け込んでしまっている。
結婚して11年目だという二人はふだん写真を撮らないのか、ぎこちなく手をつなぐ。
二人きりの生活はもうすぐ終わって家族が増える。
それまで不確定要素のない生活から一変して、先が読めない赤ちゃんと暮らすのはたいへんなことだ。
嬉しさもあろうが、もうすぐ母親になる彼女は漠然とした不安を抱えている様子。
出産と、その後の赤ちゃんとの生活に。
出産では男はただ見守るくらいしかできないが、育児は今や夫婦一緒にするのが当たり前。
ところが妻にとってはそこに大きな困難がある。
というのは、子どものいる生活において、夫はまったくと言っていいほど気が利かない存在だからである。
妻がこうして欲しいと思っていることに対して、なぜかちゃぶ台返しするようなことをして、しかもそれが正しいと思い込んでいる。正しいと思っているから、悪びれない。
個人差はあろうが、この意識の隔たりは大きいように思える。
それを埋める努力も必要だろうけど、むしろ、お互いにそういうものだと認識して(というか諦めて)コトに当たるほうが、多少スムーズになるのではなかろうか。まあそれで妻のストレスが解消するかというとそれはないと思うけど…
撮影終わって、彼女にこのことを話すと「そうですそうです!」と今日一番の同意を得られた。