国際興業赤01系統練馬春日町駅 13:39

  
 
 
 
神社を取り囲むように立つ木々の枝が風で揺れている。

地下鉄の駅から階段を上がって1km近く歩いてきたので寒さは感じないが、かわいいピンク色の着物を着た七歳の女の子は若干寒そうである。
 
小学校に上がると、どの子も急に大人になるような気がする。少々ふざけたくらいでは白けた目で見られてしまう。まだ中身はじゅうぶん子どもなのだけど、大人と似た感情が時折ちらりと顔をのぞかせる。
 
撮影の終わりに彼女に動画でもってインタビューを試みた。
 
パパの好きなところは?という質問には1秒考えて「言わない」。
 
じゃあママの好きなところは?という質問には、ごくわずかの間をおいて「どこも好きじゃない。鬼ババになるから」。
 
なかなかショッキングな回答である。
 
しかしその前段で、好きな食べ物は?という質問に対して彼女はこう答えているのである「ママの作るものならなんでも好き」と。
 
親近感と反発。
 
僕は心理学者でもなんでもないので、彼女の心の奥底なぞまったくわからなけれど、母娘は似た者同士なのかもしれぬと思う。
 
好むと好まざるとにかかわらず、親子関係は人それぞれである。
 
でも、できれば家族で写った写真は家の中に飾ってほしいと思う。きっとそれはよい結果をもたらすはずだから。