広島県神石高原町小畠 19:11


 

*この日の撮影写真はこちら

 
撮影場所は福山から車で1時間ほど北へ向かったところにある、山あいの小さな町である。

冬になれば雪が積もってノーマルタイヤの車では行けないのだが、12月の初旬は穏やかに晴れて雪の気配はどこにもない。
 
 
3年前に結婚式を撮影した夫婦にはもう二人の子どもがいて、「とある日」の写真を撮る。9時過ぎに家に着くと、お兄ちゃんは保育園に登園したあとで、ママは弟くんをおんぶして掃除機をかけ、休みを取ったパパは仕事関係の書類に向かっている。

ちなみにお兄ちゃんには先日の七五三撮影のときに大泣きされました。
https://miharayuu-monophoto.blogspot.com/2018/11/1220.html


平凡な一日である。
 
三人でお昼ごはんを食べたあとは買物に行き、保育園にお兄ちゃんを迎えに行き夕ごはんを作り、食卓を囲む。

なんのドラマもないけど、もう二度と撮れない「とある日」の写真。
 

一日の終わりの夕食の団欒を撮ると、僕は当日中に渡すデータをまとめるためにPCに向かう。
 
壁を隔ててその家族の家族だけに通じる言葉で交わされるとりとめのない会話を背中で聞く。
 
「とある日」の撮影ではいつもそうなのだが、このとき僕はその家族の一員ではないのだなあと感じていつも切なくなる。まあ当たり前すぎることなんだけど。
  
データを渡して撮影終えて、車で暗い山道を下る。
 
家に帰ったら今日は何を飲もうかなあ。