山陽本線松永駅 12:22
ママが朝からがんばって結った女の子日本髪が、車から降りたとたんに走り回るものだからざんばら髪になりそうなのを慌ててまた整える。
靴だから動き回るのだろうと、草履を履かせてみたもののあまりかわらず。
よく晴れた空の下で遊ぶ彼女は天真爛漫そのもの。
目を離せないし手がかかってたいへんだけど、三歳の今しか見られない姿である。
写真を撮りながら、七歳の頃はもう一緒に遊んでくれないだろうなと思う。
大きくなるにつれて少女らしさが現れて、その代わりに子どもらしい無邪気さが薄れてゆくのは、ちょっと寂しい。
無事にお参りが済んで、両家の家族が挨拶しあってお昼はどうすると話しながら帰ってゆく。
今日はささやかな家族のハレの日。幸せだなあと家族ではない僕は思う。
準備はたいへんだし、子どもは親の希望なぞ意に介さずじっとしてないけれど、たぶんそれが子どものいる幸福なんだ。
家族の車が出て行ったあとの境内は深閑として、秋の陽射しが暖かいのを通り越して暑いくらい。
広島県福山市今津町 12:05 本日の撮影終わり。三歳女の子の七五三。子どもであっても一人の人間だから相性の合う合わないがある。彼女は一歳のときから撮っているが、いつもよく笑ってくれるので、相性がいいんだと勝手に思っている。
広島県福山市今津町 12:09 駅の近距離切符の券売機に列ができている。隣のみどりの券売機は空いている。ずっと待っててイライラしてる若い兄ちゃんに、こっちでも買えますよと声をかける。どこまで行くん?「広島」タッチパネルを操作して松永→広島の画面を出すと「ほんまじゃ」と彼はつぶやく。
山陽本線尾道駅 17:14 大阪まで行きます。今日からまた9日間の旅。 車内にずっと独り言言ってるおっさんがいるなあと思ったら、ハンズフリーで電話してる。自分がふだん電話しないせいか、ずっとしゃべっていられる人は脳のつくりが違うんだろうと思っている。
山陽本線岡山駅 19:15 姫路行き。列の隣にいた男子校生が食べていたポテチの袋を落として、3、4枚のポテチが散らばる。どうするんだろうと横目に見ていたら、拾って何かに入れようとカバンを探すも見当たらないので、僕が持っていたビニール袋を差し出す。ちゃんと片付けようとするキミは偉いな。