岡山電気軌道東山本線城下 12:35
小さな子どもの写真を撮るというのは、動かないようにじっとさせて大声で騒いで、ちょっと表情が変わったところを絶妙なタイミングでシャッターを切る、というのでは子どもはちっとも楽しくないだろう。
と書いたところで「シャッターを切る」というのは、死語なんではないかと思ったのだけど、30代以下の人たちわかってくれるだろうか。
親はよく「お写真撮ってもらおうね〜」と子どもに言うけど、子どもはそう言われて楽しくなるのだろうか。
子どもは楽しくなければ笑わない。空気も読まないし愛想笑いもしない。非常にシビアである。だから面白い。
三歳の男の子はもともと社交的な性格なのだろう。
僕が遊びに誘ったら、すぐに乗ってくる。
三歳児のかくれんぼは隠れなくていい。探すふりをしたら、子どもはすぐに「ばあっ」と言うから、驚くだけだ。それで子どもは十分に楽しい。
家族はアメリカに住んでいるそうで、久しぶりに故郷に帰ってきたという。
仕事が忙しかったり、コロナで入国制限があったりと、難しいことは多々あれど、子どもの成長はそんなことにかまっていられない。
間違いなく三歳になり、七五三を迎える。
社会がどんなに変わっても、人の営みというのは変わることなく続いてゆく。
それを写真というものに残す仕事ができるのは、ありがたいことである。