東北本線仙台駅 9:45

 
 

 
秋晴れの空の下を、電車はひとつ一つの駅に止まってはまた走る。

仙台を朝10時に出れば静岡県掛川に着くのは夜10時である。
 
9割方の人は新幹線を使うだろうが、残りの1割には僕のようなヒマ人もいて、東北線を南下する電車を乗り換えてもまた同じ電車で顔を合わせて、まだいるなと思う。たぶん相手もそう思っているであろう。
 


白石から乗る福島行きの電車は2両である。
 
座席は横一列に並んで座るロングシートで、車端部は三人掛けになっている。
 
そこに一人の男が座って残りの二席分に荷物を置いていたから、そこに座っていいですかと尋ねたら「なんでここに座んだよ」と予想外な返答が来る。「ほかにも空いてんだろ」

車内を見れば空席はあるが、四両の乗客が二両に乗り換えるので、ガラガラに空いてるわけではない。これから福島に近づくにつれて乗ってくる人もいるだろう。
 
もとよりローカル線の電車が指定席はない。彼の主張にはなんの正当性もないから、ここに座りたいんだけどと押して言ったら彼は渋々ひとつぶんの席を空けたので、僕はそこに座る。彼との間には彼の荷物が置かれているが、それはまあいい。

 

思うに、彼はその三人掛けのシートを独り占めしたかったのだろう。
 
誰もが座れる座席を占有することに、良心の呵責はなかったのであろう。
 
彼のような人は決して珍しい存在ではない。
 
問題は、彼のような人々と共存していかねばならないことにある。
 
そのために法律や道徳とというものがあるんだろうけど、根本的な部分で分かり合えないというのはいかんともしがたい。
 
その理解の溝は昔から今まで至るところにあって、争いの元になっているけど、そのうち人間を超える存在が解決してくれるだろうか。あのAIというもので。
 
 
 
仙台市青葉区本町 9:30 朝から昨夜撮影したデータのレタッチと納品をすませてホテルを出る。えらいな自分。

東北本線仙台駅 9:45 静岡県掛川市まで行きます。わずか12時間で着いてしまう。

仙台駅の発車メロディ・HOUND DOGの「ff(フォルティシモ)」を聞くと、なんとなくテンションが上がる。


東北本線槻木〜船岡 10:29 仕事は終わったし天気もいいし、のんびり電車に揺られる至福の時間。


東北本線貝田〜藤田 11:08 福島盆地を見渡す。

東北本線福島駅 11:38 郡山行きに乗り換え。

東北本線郡山駅 12:37 新白河行きに乗り換え。


どこまでも秋の陽射しを浴びながら走っている。



東北本線新白河駅 13:46 黒磯行きが光る芒の向こうからやってきた。

東北本線黒磯駅 14:21 宇都宮行きに乗り換え。

東北本線蒲須坂〜氏家 14:54 秋晴れは続く。


東北本線古河駅 16:21 伊東行きに乗り換え。 帰宅ラッシュの首都圏をそのまま抜けて熱海まで行けるってすごいな。東京駅で東海道線折り返し電車のドアが開くのをホームで待ってた時代がはるか昔のようだ。

東北本線久喜〜蓮田 16:33 秋の日が暮れてゆく。

東海道本線熱海駅 19:22 島田行きに乗り換え。静岡で「ホームライナー浜松」に乗り換えようかと思ったけど、掛川到着が10分早くなるだけなのであきらめる。

東海道本線掛川駅 22:03 意外に冷えてきた。昨夜の仙台よりも寒いかもしれない。 なのでホテルに入ってウィスキーのお湯割りを2杯飲んだら、とたんに暑くなった。風邪の引き始めにおすすめですウィスキーのお湯割り。ウィスキー+レモン果汁+熱湯(甘くするなら蜂蜜を入れる)