奥羽本線北山形駅 13:32








 
 
 
穏やかな秋晴れの山形である。
名物の芋煮会は一ヶ月前に終わったが、馬見ヶ崎川の河原でピクニックしている人たちは、やはり芋煮を作っているのだろうか。
 
4年前に東京で結婚式を撮影した夫婦には子どもが二人生まれて、転勤のため山形で暮らしている。
夫が会社に行っている間、慣れない土地で子ども二人を育てる妻の苦労は察して余りある。これから冬になり、なかなか外に出られなくなるなると、一日中家の中で幼い子どもたちと過ごすのは相当なストレスになるだろう。
 
数え三歳の女の子はイヤイヤ期の真っただ中にあるようで、なかなか親の言うことを聞いてくれない。
 
境内の入口から手水を経て拝殿に至るまでも抱っこをせがむ。それを遊びに変えながら誘導してゆくが、すぐに飽きてしまったらしく、足袋着物を脱ごうとするところで、祈祷の順番が来てくれた。これで気分が変わってくれて、あとは一緒に遊ぶだけ。
   
今日はママの誕生日でもあるという。参拝のあとは、家族で楽しく食事をするのだろう。「ハレの日」だから。
 
明日は月曜日で普段通りの生活だ。パパは仕事に行き、ママは家事をしながら子どもの面倒を見る「ケの日」が続く。
 
僕はおそらく「ハレの日」にしか呼ばれないが、「ケの日」があっての「ハレの日」である。家族にとっていつもの日常が健康に続いて欲しいと願う。

 
 
撮影終えて、バスで山形駅まで行かずに北山形駅まで歩く。知らない町を歩くのは楽しいものである。 
たまたま前を通りがかった蕎麦屋に入り、名物らしい冷たい「肉蕎麦」を食べる。おいしいのだが、九州人の僕にとってはかなりしょっぱい。東北だからだろうか。
 
山形の人が長崎駅前県営バスターミナルのうどん屋さんでうどんを食べたら、その甘さにきっと腰を抜かす。