広島県廿日市市宮島町 18:13

  
 
 
 
  
秋の観光シーズンを迎えて宮島は内外の観光客で賑わっている。
夏の水害の影響で訪れる人が減っていたというが、元に戻ったようでよかった。
  
新郎新婦が人力車で参道をゆけば、外国人観光客は驚いてカメラを構える。ドレスと違って重厚感のある白無垢は美しい。
 
人力車を曳くのは、いつもの車力さん。いかつい顔立ちの老人で、自分の髪でちょんまげ結っているが、髪の量が近年だいぶ少なくなってきたのが気にかかる。
 
いつも口数少なく黙々と車を曳くが、今日は振り返って新郎新婦に話しかけたりしている。自然と気持ちよくなるような陽気である。
 
 
結婚式にプランナーさんはおらず、新婦が一人で全てを手配し、準備したという。相当にたいへんだったことだろう。
その甲斐あって集まった人たちはゆっくり食事を楽しみ、満足して帰っていった。
  
大勢を式場に集めて盛大に行う披露宴もいいけれど、とかく何かと慌ただしい。30人くらいのゲスト全員と顔を合わせて歓談するほうが、ゆったりと結婚式を楽しめるのではなかろうか。
 
 
医師として働く新郎は、朝の準備のときから冷静さを失わず、着実にタスクをこなしていた。
そんな新郎が、友人スピーチが始まったとたんに目頭を押さえたのが印象に残った。
 
結婚式というのは特別な感情を呼び起こす。人生にはそんな一日があっていい。
結婚おめでとう。末長くお幸せに。