尾道 17:52

  
 
 
  
夕方、市役所前の給水所に出かける。 
 
尾道の市街地には井戸が何箇所も残っていて、断水が起きてから生活用水として開放されている。もともと河川に乏しく、昔は飲料水の確保に苦労していた坂の町ならではの恩恵である。
 
井戸だけでなく、この町に住んでいてよかったことはトイレが汲み取り式であるということだ。これはとても大きなメリットである。日常の排泄にまったく困ることがない。
 
下水と水洗トイレが完備された町では、災害が起きたときにそれが一転して問題になるのは間違いない。
 
井戸もそうだが、不便なもののほうがいざというときに役に立つのだと、用を足しながらしみじみ思う。
 
難があるとすれば、階段と細い坂道ばかりの町は高齢者にとっては暮らしにくいということだろうか。
  
給水所には短い列ができていた。
連日朝7時から夜9時まで長時間作業している職員の皆さんには頭が下がる。
  
断水初日、二日目あたりは長蛇の列だったようだが、ようやく落ち着いてきたのだろうかほとんど待つことなく順番が来る。
 
3本のペットボトルに水を入れてもらって、それを近所のおばあさんの家に持って行く。