京都市交通局烏丸線鞍馬口駅 18:08



  
 
 
  
台風が過ぎて、取り残された雨雲が比叡山の上に居座っているが雨はもう降らない。
雨と風のおかげか、覚悟していた暑さもさほどではなく、この時期としては上出来のお天気であった。
  
鴨川のほとりで家族の写真を撮る。
毎年この時期に写真を撮っているけど、年々子どもが大きくなるにつれて撮影が難しくなる。小学三年生の女の子は僕がふざけても反応しない。
 
遊びで走ったり跳んだりしなくなるのも時間の問題であるけれど、「家族の写真はそのときしか撮れません」

 
彼女にはもう説明したらわかってくれるのではなかろうか。なぜ親がフォトグラファーを呼んで自分たちの写真を撮るのかという理由について。
 
そうすれば、ただ笑顔の写真を撮るのではなく、ストーリー性のある撮影ができるかもしれない。1時間で完結するようなシナリオを考えるのは難しそうだけれど。
    
家に帰って、神楽好きの弟くんは烏帽子を被り、プラスチックの刀を持ってひとしきり神楽を舞ってくれた。
 
好きこそ物の上手なれというが、刀を振り回すさまは実に堂に入っており、彼は将来いったい何になるのだろうか。