京成電鉄金町線柴又駅 15:25




 
帝釈天の境内にはずっと「寅さん」のイントロが流れ続けていて、「よっ、帰ったぜ」と渥美清が現れてもぜんぜん不思議じゃない。
 
外国人観光客に埋め尽くされている浅草と違って、訪れるのも日本人ばかりである。
 
昭和メンタルな日本人にとって、「寅さん」の世界は古き良き日の日本社会そのものだ。
 
 
 
五歳の男の子と一ヶ月の赤ちゃんは完全な令和世代である。昭和世代の郷愁なぞ1ミリもわからない。
 
でもいつの時代も国が違っても子どもは同じだ。
 
楽しいことには夢中になる。
 


撮影終わって門前の通りをぶらぶら歩いて駅に着くと、撮影した家族がいて、同じ金町行きの電車に乗る。
 
運転士の背後の席に陣取った彼は、食い入るように前から流れてくるレールの先を見つめる。その集中力がすごい。
 
彼はきっとそれで将来何かをモノにするだろう。飽きっぽい僕には真似のできない優れた才能である。