東京地下鉄丸の内線新大塚駅 16:18
地下鉄の新大塚駅を出てビルの裏手に回ると、湿っぽい路地が不規則に曲がりながら坂を下ってゆく。
道の両側に建つ家は古ぼけて、昭和のまま時間が止まっているかのようだ。
坂を下りきると谷の底で、おそらく神田川につながる支流があるのだろうが、埋め立てられたのか暗渠なのか川は見えない。なんとか雨は上がった。
七歳の女の子は青みがかった紫色の着物を着てやってくる。
笑うと目が糸になって日本人形のようである。
会うなりすぐに一緒に遊び始めて、なかなか止まらない。なんでも面白がる得な性格だ。
ママはお淑やかに佇む写真を期待されたかもしれないが、それとはキャラがあまりにも違いすぎる。僕は楽しいからいいけど。
きっと学校でも人気者だろう。この元気の良さのまま大きくなってほしいものだ。
お参り済んで家に帰る途中で、よく行く美容室の前で立ち止まる。
ほどなくしてお店の人が気づいて「あらまあ!」と声を上げ、仕事の手を止めて出てくる。
七五三だったの?かわいいねえ!
彼女は恥ずかしがることもなく自分の着物姿を見せてからさよならと手を振り、ご機嫌でまた歩き出す。
愛されキャラっていうのはこういうことだな。
東京都文京区大塚 15:49 本日の撮影無事終わり。2件目も七歳女の子の七五三。とにかく元気でよく動く。1件目の同い年の女の子と正反対である。僕の撮影ネタに大ウケし「お笑い芸人さんみたい」とまで言う。笑顔の写真がほとんどで、も少しすまし顔がほしかったと思うのはないものねだりか。