阪和線鳳駅 15:25
写真にはできれば緑を入れたい。神社の石畳や灯籠もいいけれど、そればかりだとどうしても彩りに乏しい。
ともすれば殺風景な神社で僕は自然の緑と一緒に子どもを撮れる場所を探す。
だから、最初に木立の中で撮ると言われた家族は、なんでこんなところで?と思ったに違いない。
視界に入る樹木は剪定されているわけでもないから、見映えのする写真になると思えないのだろう。
レンズを通して見える世界はすぐにはわかってもらえない。
三歳の女の子はどこで覚えたのか敬語を話す。
僕がふざけながら撮っていると、彼女は「あなたおもしろいひとですね」と言って、これには周りの大人たちが爆笑する。
ママは撮影用の小物を持ってきていた。
和傘はよくあるが、よさこい祭りで使うような鳴子まで持ってきて、これはどういう意味があるんだろうと思いながらも彼女に持たせて写真を撮る。
僕は撮影のときに小物を使わないので物足りなく感じられるのかもしれない。
小物がなくても遊べるし、それがなければいい写真にならないというものでもない。
子どもが楽しんでくれればそれが一番なのではないか。
たくさん笑って家族がにぎやかに帰って行ったあとの境内には静寂が訪れる。
その静けさのなかで静かに子どもの写真を撮ってみたいなとふと思う。
堺市西区鳳中町 15:08 本日の撮影終わり。2件目は三歳女の子の七五三。敬語を使える三歳児というのも珍しい。「あなたおもしろいひとですね」と言われて周りの大人たちが爆笑する。ほんまに子どもはひとり一人違っていて面白い。