大阪市交通局谷町線南森町駅 10:32


  
 
  
 
お宮参りの撮影。
清々しい秋晴れの朝である。家族の記念写真のあと、2ヶ月にもならない赤ちゃんだけの写真を撮る。赤ちゃん語に反応してくれるか若干心配だったが、かすかに笑ってくれてほっとした。

撮影終了後は挨拶もそこそこに駅に急ぐ。次の撮影地は愛知県知多半島の付け根あたりにある東浦町である。複数件の撮影が入っているときは、移動時間に余裕を持たせるのだが、今日はそうではない。最寄駅から出るバスは一日に9本しかない。

梅田の雑踏をすり抜け御堂筋線に乗り、新大阪で新幹線ホームへ急ぐ。エスカレーターを歩いて上ろうとすると、大きなリュックを担いだ人が前をふさいでいるので立ち止まる。後ろから僕の後を追いかけて上がってきたおじさんが舌打ちして「早よう!」とつぶやくのが聞こえるが前は動かない。「のぞみ」の発車時刻まであと2分くらい。あきらめなければうまくいくものである。とりあえず間に合った。

座席で、お宮参りのお客さんからいただいた包みを開くと、まだ温もりのあるコロッケが5個。ありがたくいただく。旅するフォトグラファーのバッグの中には、割り箸とソースの小袋が入っているものである。