さいたま市大宮区宮町 16:37

 

 
 
 
七五三の撮影。
お宮参りを撮影した子がいつの間にか三歳になっている。その間の成長を知らないので、赤ちゃんからいきなり女の子になった彼女に、目の前で魔法を見ているような気持ちになる。

子どもと遊びながら撮っていると、親も写真を撮りたくなるものらしい。しかし「○○ちゃん、こっち向いて」と言った瞬間に子どもから笑顔が消えている。子どもの笑顔は瞬く間に溶けて消える雪のようだ。

大宮は日没が近づくにつれて底冷えがする。長い参道は落ち葉が掃き清められて、リヤカーに山と積まれている。冷たい空気の中で七五三の参拝者がちらほら見える。いい写真が撮れなくても、それは大したことではない。七五三は子どもの成長の節目を家族で祝う行事である。そんな気持ちになってくれればいい。