東京都港区芝浦 16:18

  
 
  
 
 
四歳女の子の家族写真を撮る。
毎年撮って4回目になるが、はじめは緊張気味で馴れるまでに少し時間がかかる。そのうち一緒に遊ぶようになる。まだカメラを意識するような年齢ではない。
 
「親が子どもの写真を撮ってもらおうと思うのは何歳くらいまでですかね」とパパが言う。たしかに子どもが幼い頃は子どもの写真をたくさん撮るが、成長とともに減ってゆく。子どもが中学生、高校生になってもわざわざフォトグラファーに撮ってもらう人は少ないだろう。子どもだって思春期になれば写真を撮られるのを嫌がるようになる。
 
子どもを撮り続ける意味はあるんだろうか。
子どもが大人になっても撮り続けている人はいるのだろうか。
そもそもなぜ写真を撮るのだろうか。
考えるといつまでも答えは出なくて時間が過ぎてゆくだけだから、やめよう。
とりあえず僕の仕事は写真を撮ることであり、明日もどこかで写真を撮る。それが続けばいいと思っているだけだ。続けていればわかることもあるだろう。