東海道本線沼津駅 10:01

 

 

 
沼津市街の真ん中にある小さなホテルに泊まった。
もう何度か泊まったことがある宿で、無愛想な夫婦で切り盛りしている。今回は朝食つきで一泊3800円。

フロントの脇にある小さな喫茶店に入ると、小さな熱帯魚が泳ぐ大きな水槽が店の真ん中に置かれている。水槽の水はやや濁っている。コカコーラが瓶で出てきそうな70年代を思わせる店内である。
 
店に入ったのは8時45分くらい。おかみさんが「朝食は9時までですから!」と言いながら、薄いトーストを焼き始める。もっと早く来い、あるいは早く食べ終えろ、ということなんだろう。カウンターに用意されているサラダの小鉢は、残り二つであった。

ビニールレザーの椅子に座って、ゆで卵とマーガリンがべったり塗られたトーストを食べていると、しみじみとこのホテルが長続きしてほしいと思う。僕が食べ終えるまで、もう一人来るはずの泊まり客は姿を現さなかった。




行先表示「幕」も少なくなった。国鉄フォントもそのうち消えそう。