埼玉県和光市新倉 16:19

 

 
 
ママは二つ違いの息子たちが遊んでいる様子を「仔犬がじゃれあっているみたい」と形容する。それが「だんだんと子熊のように思えてきた」そうだ。子ども大きくなったのに、ある日ふと気がつく。
埼玉県の公立小学校は明日9日が入学式。これから兄弟一緒に登校する日々が始まる。
「やっとですよー」と肩の荷が下りたようにパパが言う。8年間の保育園の送り迎えご苦労さまでした。
  
和光市駅の北側は再開発が進んで、以前は畑か原っぱだった土地が宅地整備されている。
昭和時代の面影のある家がかろうじて数軒残っているが、いずれ取り壊される日が来るだろう。
 
駐車場と古い家に挟まれた細い路地を抜けると駅に出る。
駅の北口には駅前広場がない。ごちゃごちゃしていると思う人も多いだろうが、建ち並ぶ商店や民家との距離が近くて温かみを感じる。
 
駅と同じ並びに地酒を揃えた立ち食い蕎麦屋があって、酒の銘柄を書き連ねた看板の前で立ち止まる。広島の酒がある。馬刺し赤身(500円)がおすすめメニューだそうだ。しばし逡巡。ここが自分の地元だったらいいのに。