山陰本線鳥取駅 16:10




 
 
山陰本線をのんびり東進して舞鶴まで行く。列車は入江と入江の間をトンネルで抜けながら走る。久しぶりに日本海を見た。
 
ホームのベンチで仕事していたら、声をかけられた。顔を上げると今日の披露宴の司会者さんである。
 
地方の小さな式場ゆえ、持ち込みのフォトグラファーが珍しかったのかもしれぬ。「今日の仕切りを見てて、絶対プロだなと思ってました」と言われる。(式場には友人ゲストとして入っていた)
 
そんな彼女はお開きのときに、しっかりした中国語でなにかを言っていた。それを問うと「ご結婚おめでとうございます。末永くお幸せに!」を中国語でしゃべったという。中国人の知り合いに頼んで録音した音声を繰り返し聞いて耳で覚え、発音練習したそうだ。素晴らしすぎて感心する。彼女が英語で新婦の母上と会話しているのをちらりと聞いたが、英語も堪能なようである。彼女のような司会者は、都会なら引く手数多の人材であろう。
 
ホームでの立ち話はすぐに終わる。彼女は僕と反対の方向、米子行きの列車に乗って帰って行った。