宮島航路宮島港 12:23
桜も終わったというのに、春うららの厳島神社はたいそう賑わっている。
能舞台では能を演っていて桟敷は観客で溢れている。
回廊も人の波。雑踏の中で撮るのはできれば避けたいのであるが、致し方ない。
三歳と一歳の姉妹を連れて、スイスからの里帰り。まだしていなかったお宮参りだそうである。
厳島神社の拝殿では、参拝者は板の間に敷かれた筵の上に正座するのだが(脚を曲げられない人には胡床を出してくれる)、スイス人のパパはときおりお尻を浮かせたりしてやや辛そう。祈祷が終わってから、脚が痛かったでしょうと言うと、彼は苦笑いしながら「Ça va」と答えた。
宮島口に戻るフェリーでは客室に入ることはほとんどない。いつも2階甲板のベンチで10分間を過ごす。足元にカメラバッグを置いておけるからである。
ベンチの端には先客がいたので、その反対側の端に座る。と、すぐに 脚を引きずるようにして白人のおばさんが急な階段を上ってきた。端を譲って真ん中に座る。と、今度は彼女の夫らしき男性がようやく上がってくる。貴女の旦那さんかと聞くとそうだと答えるので、今度は席を立って3階甲板に上がった。
フェリーには、(JR、松大汽船ともに)車輌甲板である1階部分にも小さな客室があるのだが、彼らは気がつかなかったと見える。乗船するときに係員が誘導すれば狭くて急な階段を上らずにすんだであろうに。