東京都江東区清澄 13:08



 
 
 
清澄庭園は江戸時代の大名屋敷を三菱の岩崎弥太郎が買い取って作ったそうだ。お金持ちはなんでもできるものである。 
訪れたのは初めてで、都心にこんなに端正な公園があったのかと感じ入る。人が少ないのがよい。
気候のよい時期に、ベンチに座って静かに庭を眺めると落ち着くだろうと思う。和装前撮りをしているカップルがひと組いた。 
 
池に張り出すように建てられた数寄屋造りの「涼亭」という建物があり、そこで「かたりと」さんのライブが行われる。そのリハーサルの撮影を依頼いただいた。
 
かたりとさんは津軽三味線と箏(琴)の音をバックに北原久仁香さんが「語り」を聴かせる。
今日の演目は安珍と清姫の悲恋を描いた「道成寺(どうじょうじ)」である。無学な僕は知らなかったのだが、能や歌舞伎でも演じられる有名な物語であるらしい。
 
本を朗読するような語りはおよそ30分ほど。台本などテキストをいっさい見ることなく、セリフと地の文を一人朗々と語り続ける姿は圧巻である。ストーリーは恋に破れた清姫の怒りを描いていて、身もだえするような感情を語る姿には凄味を感じる。演じる北原さんは相当疲れるだろう。怒りの演技は体力を使うはずだ。
 
かたりと
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じつは僕自身、朗読するのは好きで、高校生のときに何かの本を朗読してカセットテープに吹き込んだことがあった。悲しいかな僕の声はまったく味のない薄っぺらい声であって、再生してがっかりしてすぐに消した。