京都市交通局烏丸線北山駅 16:44
植物園の並木道では2組のカップルが前撮りしていた。
定番の撮影スポットであるらしいが、樹高が高すぎて個人的にはあまり撮りたい場所ではない。今日はそこを素通りして緑の美しい木々の間に二人を立たせる。
二人の写真を撮るのは今日で三回目。物静かな二人である。
派手なことの苦手な彼は、白いタキシードは絶対に着たくないと漏らす。濃いグレーのスーツと、彼女のマーメイドラインのドレスはよく似合う。
装いのせいか、顔を見合わせて小さな声でおしゃべりする二人の様子はレイモン・ペイネの絵を見ているようであった。
園内では着物姿の若い中国人のグループが写真を撮り合っている。嬉々としてポーズを決める彼らを見ていると、写真を撮るのは思い出を残すというより、アトラクションなのだなと思う。コスプレ写真の撮影会のようだが、彼らはふつうの旅行者で、レイヤーさんではないだろう。
日本では他のアジア諸国の人たちと比べて写真を撮られるということに消極的な人が多いが、この性質の違いはどこから来るのだろう。