阪急バス121系統柱本線三島江 16:45



 
 
 
 
秋の日は短い。撮影が終わる頃にはあたりの景色が少しずつ夜に溶け込んでゆく。
 
昨年はお姉ちゃんの七歳の七五三であった。今年は数え三歳の弟くんの番である。小さな神社の神主さんは、彼が驚かぬようにそっと太鼓を叩く。
  
どの子もみな少しずつ大きくなってゆく。2年前、彼が生まれたばかりのときの写真を見返したら、不思議な気持ちになった。
https://miharayuu-monophoto.blogspot.com/2016/12/1634.html
     
また何年かして、今日の写真を見たら同じような気持ちになるんだろうか。歳を取るのもよいものである。
 
   
撮影終えてバス停に向かう途中の交差点に、二人の警官が対角線上の位置に立ち、手元の資料になにやらメモを取っている。
 
周囲には物流関係の倉庫が建ち並んでいて、大型トラックがひっきりなしに通る道である。
 
事故でもあったのかと聞くと「いや見張りです」とマスクをした若い彼は短く答える。何をメモしているのか少し気になるが、彼の仕事の内容を問うても答えてくれぬであろう。
   
彼は両肩にカメラバッグを提げた僕をちらりと見て「仕事帰りですか」と聞く。ええそうですと答えたが彼はそのあと何も聞かない。何を撮ってるんですかぐらい聞いてほしかった。