広島電鉄皆実線比治山下 12:53




 
 
 
天高く秋晴れである。3日前の天気予報は雨だったのに。
 
六歳と二歳の姉弟は落ち葉を投げて遊ぶ。
 
この撮影がなければ七五三でそんなことはしなかったし、させてはくれなかっただろうけど、楽しそうな子どもの姿を見るのは、親にとっては嬉しいはずだと思う。
 
カメラを構えた親から「もっと笑って!」と言われて、つまらなさそうな顔をしているよりはいい。

 
比治山神社は祈祷中の撮影ができる。頭をお下げくださいとかお直りくださいとか、参拝者の動きを指示するのは今日は巫女さんではなく、氏子さんらしき老人がマイクを使って進めている。
 
玉串をあげるときは「はい、頭を下げてください…もう一回下げます。手を二回叩きます…最後にもう一回頭を下げてーはい、よくできました」と動きを指示してくれる。小さな子どもにはわかりやすかろう。
 
彼は祈祷が終わると「おじさんがおめでとうと言いますから、みなさんはありがとう!と大きな声で言ってください」と呼びかける。
  
子どもたちは若干戸惑いながらも感謝の言葉を口に出して言い、拝殿を出た。彼のおかげで温かみのある七五三の祈祷であった。