阪急電鉄千里線豊津駅 17:58
秋の日は短く、日没を過ぎると夜が駆け足でやってくる。
四人兄妹の家族はにぎやかだ。子どもたちは仲がよい。両親は子どもたちが揃った写真を毎月撮っているという。
家族の写真を撮って、それを見える場所に飾っておくというのは、家族が円満であるために、とても効果があるのではなかろうか。さいきんそう思うようになってきた。
科学的なデータがあるわけでもないし、定量化できることでもないけれど、機会があったら調べてみたいものである。
ところで、パパが子どもたちを撮るときは「うんちの歌」を歌うそうだ。うんちっちうんちっちと自作の勝手メロディーで歌って笑わせる。
彼が歌のさわりを聴かせてくれたので、いつか真似してやってみようと思う。でも僕がやると盛大にスベりそうだなあ。
日が落ちて撮影を終える。暗くなった道を駅まで歩く。
途中にカフェがあって、中で女子高生二人が向かい合ってパンケーキらしきものを食べているのが見える。そろそろ家に帰って夕飯を食べる時間であるはずだが、親と顔を合わせるより、友達としゃべっていたいだろう。
子どもが大きくなれば当然そうなる。
そんな彼女らの家にも家族写真は飾られているのだろうかと、ふとそんなことを思いながら店の前を通り過ぎる。