西日本鉄道69系統平和三丁目 18:06
フォトグラファーの仕事とは、小雨降るなか小学5年生を筆頭にした4人の姉弟と全力疾走で鬼ごっこすることである。
もっともそのうちの一人はまだ三歳だからよいとしても、上の三人の子どものすばしこいことといったらない。子どもを追いかけて雨の公園を駆けずり回る中年の男というのは、警察に通報されてしかるべき怪しさではなかろうか。
まあでも、彼らと鬼ごっこで遊ぶのもいつまでできるだろう。
僕の体力的なことはさておき、一番上のお姉ちゃんが中学生にもなれば、こんな無邪気な遊びに付き合ってくれることもないはずだ。平日夕方の帰宅は遅く、土日は部活だったりするから。
今日は貴重な1時間を過ごせた。
個性もなにもかも違う4人の姉弟を撮るのは楽しい。一枚たりとも視線が揃った笑顔の写真がない。見返すと彼らでしか撮れ得ない写真ばかりである。
パパが仕事で不参加なのに撮影をご依頼くださって本当にありがたい。いつか彼らが成人して、帰省か何かで実家に集まったとき、今日撮った写真のアルバムを開き見てくれることを願ってやまない。
週末の博多駅前は混雑していた。タクシー乗場に長い列。今夜は尾道に帰る。
新幹線のホームへ上がったが、思いついて回れ右してまたコンコースに降りる。売店で目に付いたお菓子を買い込んで、珍しくミチコさんへのお土産にする。なんとなくそうしたほうがよいような気がしたからである。動物的な勘である。