徳島バス徳島空港線徳島駅前 16:13

 
 
 
 

撮影と画像処理以外することがないフォトグラファーは、駅前をひと回り歩いて空港行きのバスに乗る。
 
吉野川の河口ははまるで海のようにただ広い。地図を見たら川幅が1.5kmくらいある。帰宅する高校生をバスが追い越す。彼女は今どんなことを考えながら自転車を漕いでいるのだろうと思う。
 
まったく見知らぬ人であるけれども、この瞬間、僕は彼女の存在を意識しているわけで、それにどんな意味があるのか考えることは無駄なことではない。
 
 
 
東京行きの最終便を待つ間は仕事を続ける。
 
搭乗待合室は薄暗い。売店は開いているものの明かりは消えている。これでは万引きし放題ではなかろうかと心配になる。出発時刻が近づいて乗客が少しずつ集まり出したら、制服姿のおばさんがやってきて店の電気を点けた。